相続手続きをスムーズに終わらせる、失敗しない遺言書の要件と作り方を解説します!
遺言書の具体例
遺 言 書
遺言者 神戸太郎は、次の通り遺言する。
1 妻 神戸花子(昭和○年○月○日生)には、以下の不動産を相続させる。
①土地
所在 神戸市北区鈴蘭台○丁目
地番 ○番○
地目 宅地
地積 ○平方メートル
②建物
所在 東京都港区六本木○○
家屋番号 ○番○
種類 居宅
構造 木造スレート葺2階建て
床面積 1階 ○平方メートル
2階 ○平方メートル
2 長男 神戸一郎(昭和○年○月○日生)には、以下の預金を相続させる。
三井住友銀行鈴蘭台支店の遺言者名義の普通預金
口座番号 123456
3 次男 神戸次男(昭和○年○月○日生)には、以下の預金を相続させる。
みなと銀行鈴蘭台支店の遺言者名義の定期預金
口座番号 987654
4 その他遺言者に属する一切の財産は、妻神戸花子に相続させる。
5、遺言執行者として、妻 山田花子を指定する。
遺言執行者は、遺言者名義の預貯金の名義変更、払戻、解約、その他
本遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を有する。
6、付言事項
お父さんが、もしものときのために、この遺言書を書きました。
一郎と和子は、2人で協力をして、お母さんを助けてあげてください。
平成○年○月○日
東京都港区六本木○丁目○番○号
遺言者 山田太郎
自筆証書遺言を作成する時の、基本的な知識を解説します。
まず、自筆証書遺言の内容で、基礎的な知識を頭にいれてください。
そして、遺言書を作成するにあたって、以下のものを用意してください。なお、自筆証書遺言が有効になるためには、以下のもの全てが必要というわけではありません。しかし、念には念を入れてということです。
(用意するもの)
(絶対に必要なもの)
丈夫な用紙、筆記具(文字が消えないボールペンなど)、印鑑(実印が良い)、朱肉
(あった方が良いもの)
印鑑登録証明書(実印が間違いないか確認)、戸籍謄本(相続人の名前を絶対に書き間違えないようにするため)、住民票(相続人以外の人に遺贈する場合にはその人の分)、登記事項証明書・登記簿謄本(不動産がある場合)、封筒、のり、大切な人リスト、財産目録など
①タイトルは「遺言書」とします。
②全文自筆で書きます。
③法定相続人でない場合には、「相続させる。」と書かずに「遺贈する。」と書きます。
④財産の書きもれがあると、その部分については遺産分割協議が必要になります。それを防ぐために、この一文は入れておきましょう。
⑤手続きをスムーズに進みるために、遺言執行者を指定しておきましょう。
⑥付言事項は、遺言としての法的効力や拘束力はありませんが、残された家族へのメッセージになりますので、書くのが良いでしょう。
⑦正確な日付を記入します。
⑧自筆で署名・押印をします。なお、認印でも法的には問題ありませんが、トラブル防止のために実印で押印しましょう。印鑑登録証明書を取り寄せ、実印で間違いないか確認しましょう。
⑨自筆証書遺言を封入・封印し、保管します。
はじめまして
遺言書とは遺言書を作成しようと思っている多くの方は、高度経済成長や安定成長の世代ともいえます。その時代は、日本の将来は明るく、将来不安よりも、将来への希望の方が大きかったでしょう。
しかし、その子供たちの時代は、先が見えません。良い大学を出て、良い会社に入れば、一生安泰という時代ではないのです。某航空会社に起きたことが、自分の子供が働いている会社に絶対に起こらないとは言い切れないでしょう。10年、20年たっても、リストラ、倒産は無いと言い切れる会社なんかありません。某航空会社に勤めている(た)多くの人も、現状起きていることを思い描いて、入社してはいないはずです。
先の見えない現代では、100万円でも200万円でも多く欲しいのが実情でしょう。リストラ、倒産、離婚、老後の不安、現代人は将来に不安を抱えています。先の見えない現代で働く子供がいる親は、遺言書を作成した方が良いです。作成していないと、自分が亡くなったときに、争うおそれがあります。先が見えないから、100万円でも200万円でも多く欲しいのです。そこは、理解してあげないといけません。