家族葬の4つの落とし穴前編
最近、「家族葬」という言葉を良く耳にします。かなり一般的になってきたと私は感じます。
では家族葬とは、いったいなんでしょうか?
家族葬とは家族・親族・近親者だけで行う葬儀を意味します。
いわゆる昔から使われている「密葬」に近い葬儀の方法です。
わたくしども花心にご相談にお見えになる方の大半がやはり家族葬で葬儀を行いたいと希望されます。
理由をお聞きしますと、故人様が高齢でお友達もいないのでという方、また経済的な理由でという方など様々な理由がございます。
しかしながら状況によっては後日大変な状況になりますので、慎重にお決めいただくようにしております。
家族葬をする際の注意点をお話します。
1.故人様の交友関係が広い場合さ
故人様にご友人がいない場合は、問題ありませんが、
以下のような場合は、家族葬で済ませるとご友人の皆様とのお別れの機会を奪う形にもなりかねません。
故人様が
- 現役
- 現役引退後間もない
- 現役ではないが交友関係が広くお友達が多い
2.お知らせする範囲
やはり故人様と対面でお別れをして頂いた方が、ほんとうの意味でのお別れが出来るのではないかと思います。
ご家族はせめて仲の良かった○○さんにだけはお知らせしないといけないわ、と一部の方にだけお知らせしようと考えますが、情報は少しずつ漏れていきます。
そうしますと予定外の弔問者(未知数)に対しての接待が出来なくなりますので大変なことになります。
家族葬を希望される方には完全にクローズで家族・親族のみで行うように勧めております。
3.葬儀後の弔問者への応対
故人様が社会的な立場がしっかりあり、本来ならばたくさんの弔問者がくる方の場合は、後日大変なことになります。
必ずお亡くなりになった年に行わなければならない喪中ハガキで一般の皆様に事後通知をいたします。
事後通知をしますとやはり、「せめてお線香だけでも」とご友人、知人が押し掛けます。
暮れのさなかに平日は夜間、また週末、連日のようにご弔問の皆様の都合で訪問されます。
そしてその都度、病状の経過、想い出話を繰り返しお話しをして、お茶出しの接待をする事になります。
このように葬儀後のご負担のこともしっかり検討しておきましょう。
4.家族葬はお香典なし
一見、家族葬は費用負担が少ないように見えますが、実は一般葬に比べると経済的な負担が大きくなります。
人数に応じて、実際に費用負担がかかる項目は、
「通夜料理の接待費用」
「会葬返礼品の費用」
などがあります。
香典辞退をしなければ間違いなく弔問者の皆様からのお香典収入がございます。
「通夜料理の接待費用」、「会葬返礼品の費用」を差し引いても、お香典の中から余りが出ます。よって、一般葬で弔問者の皆様からのお香典により、実費負担は結果的に減ることになるのです。
よほど故人様が遺言として残しておいたか、
また後日お別れ会をするような場合は例外ですが、家族葬で葬儀を行う際は慎重にお決めしないと思わぬ失敗をしてしまいます。
あらかじめお気をつけください。